中古車を購入しても法定整備は必要なの?車検整備との違いって何?

中古車を探していると、「法定整備付き」という文言を見かけることがあります。法定整備は「車検整備」とよく混同されがちなので、ドライバーなら法定整備の内容についてしっかり理解しておきたいところです。今回は「法定整備」の基本知識を中心に、「車検整備」と何が違うのかについても解説していきます。

1.そもそも法定整備って何?

1.そもそも法定整備って何?

「法定整備」とは、道路運送車両法などの法律で定められた「自動車の定期点検のこと」です。車が故障することなく快適に走れるか、車の所有者自身が定期的に点検する義務を負っています。

もともと国土交通省が定めている自動車の点検整備には、「日常点検整備」と「定期点検整備」の2種類があります。このうち「日常点検整備」とはその名の通り、日々の生活などで自動車を使用しながら、所有者自身で行うことのできる点検のことです。ウォッシャー液を補充したり、エンジンの掛かり具合を見たり、タイヤの摩耗度を確かめたりといった、専門業者でなくとも日常的に簡単に実施できる点検のことを指します。

一方の「定期点検整備」が、いわゆる「法定整備」といわれているものです。国土交通省の規定によると、「一般的な構造・装置の自動車に関し標準的な使用を前提として、定期的に行う必要のある点検を定めたもの」とのことで、こちらは本格的な点検になります。車種や使用用途によって点検時期や点検項目が定められている上、実際の点検には専門的な知識や技術、点検設備も必要。そのため国の認証を受けた整備工場などに、依頼することが一般的です。

2.法定整備は必ず受けるべき?受けなかった場合はどうなる?

2.法定整備は必ず受けるべき?受けなかった場合はどうなる?

法定整備は道路運送車両法によって「点検を受けなければならない」と定められているとはいえ、受けなくても特に罰則規定はありません。その理由は「車検整備」、いわゆる車検の存在があるからです。

例えばマイカー(自家用乗用車や軽自動車)の場合、法定整備の時期は1年ごと(12カ月点検)に26項目、2年ごと(24カ月点検)に56項目の点検事項が定められていますが、24カ月点検の56項目には12カ月点検時に必要となる26項目が含まれています。したがって、2年ごとに受ける車検時に24カ月点検をセットで行っていれば、最低限の点検は行っているだろうと考えられるわけです。法定整備の24カ月点検は車検時にほとんどのユーザーが受けている実態があるため、12カ月点検をしないことへの罰則は、特に設けていません。

ただし、本来は12カ月点検も必要なはずです。ところが国土交通省の実施した「自動車の点検・整備に関するアンケート調査」によれば、「定期点検整備(一定期間ごとに車を点検)」を実施している答えたドライバーが全体の81.1%いるにもかかわらず、そのうち12カ月ごとに点検整備していると答えた人の割合は51%でした。つまり、全ドライバーのうち約半数は12カ月点検をしていないのです。

12カ月点検をしないことに罰則はないといっても、定期的に法定整備を受けないと大きな故障につながる可能性があることは事実です。したがって、安心・安全を最優先に考えるのであれば、12カ月点検も含めた法定整備や日常点検整備の実施をおすすめします。特に新しく車を買った場合には、きちんと法定整備を受けておかないとメーカー保証が受けられないといったケースもあるので、しっかりと点検を受けておくことが大事です。

3.法定整備はいつ受ける?決められた回数は?

3.法定整備はいつ受ける?決められた回数は?

法定整備は車検と異なり、日時を定めた期限といったものはありません。基本的には自主判断によって実施します。24カ月点検については前述の通り、車検と同時に行うことが普通なので、問題になるのは12カ月点検の方でしょう。12カ月点検を行うタイミングは前回の点検や購入後から12カ月後の時期を中心に、その前後1カ月といったところです。

12カ月点検を受けておくべきメリットとしては、メーカー保証を受けられる、整備不良などによる事故が起こった時に法的責任が軽くなる、法定整備の時に検査項目について記載する「点検整備記録簿」に残るという点が挙げられます。特に中古車は購入後1年後に法定整備を受ける必要がある上、メーカー保証の対象となるには12カ月点検を受けることが条件となっていることが多いようです。さらに「点検整備記録簿」にしっかり記載されていると、将来的に車を売るときの査定評価がアップしやすくなるといったメリットも生じます。

ちなみに点検の回数については、車種や用途によって違っています。例えば自家用の中小型トラックやレンタカー(乗用車)は6カ月ごとに22項目、12カ月ごとに82項目、バスやトラック、タクシーといった事業用車両や自家用の大型トラック、乗用車以外のレンタカーは3カ月ごとに50項目、12カ月ごとに99項目の点検が必要です。事業用の車両は走行距離が長い上に、事故が起こると重大な事態につながるため、より厳しい基準が設けられているのです。

4.法定整備と車検整備との違い

法定整備は車検整備(車検)とセットで行われるのが一般的である点を理解したところで、そもそもこの2つにどういう違いがあるのかを理解しておきましょう。

まず法定整備は「安全な走行を維持するための検査」のことで、車両ごとの細かなエレメントや装置の不具合を確認するものです。一方、車検整備は「車が安全性や公害防止などの保安基準(道路運送車両法に定められる規定)に適合しているかどうかに従って点検・整備する」ものなので、あくまでも法定の基準をクリアしているかどうかを確認する検査になります。したがって、検査基準をクリアしてさえいれば、車検整備としては問題ないとみなされるのです。

しかし検査基準をクリアしていても、実際には稼働効率が落ちている装置などがあるかもしれません。その点は車検整備では問題とならないので、法定整備によるメンテナンスでカバーする必要があります。

一般的に「車検」といわれているサービスには、「車検整備付き」という意味合いが強いようです。車検を確実に通すためもあって、車検整備と法定整備を同時に行うことがほとんど。ちなみに法定整備の費用は、12カ月点検で1万〜1万5,000円ほど、24カ月点検で2万円ほどが相場となっています。車両によっても異なるケースが想定されますので、実際に法定点検を依頼する際に必ず確認してください。

車検整備の費用内訳は、大きく分けて「法定費用」「車検基本料」「部品交換費用」3つです。「法定費用」とは、国または保険会社に支払う「自賠責保険の保険料」「自動車重量税」「印紙代」のこと。「車検基本料」は、車検を依頼する整備工場に払う手数料のことで、どこに車検を出すかによって料金に差が出ます。一般的には、ディーラーに車検を出す方が割高になるので、車検業者に依頼した方が安上がりです。

3つ目の「部品交換費用」は、交換が必要な消耗部品の費用と工賃代を含めた費用のこと。ここが12カ月点検をしている場合と、していない場合で差が出る部分です。12カ月点検を行っておくと車検時に一気に部品交換しなくて済むので、トータルでの車検費用は安くなります。

5.法定整備の費用はどこのお店も一緒?

法定整備は、自分で行うことも可能です。ただし実際には専門知識や技術が必要な上に、点検整備記録簿への記載も必要となるので、専門業者に依頼した方が良いでしょう。12カ月点検はドライバー自身で行えるものも多いですが、24カ月点検は車をリフトアップして行う検査項目がかなりあるので、無理せず車検とセットで依頼した方が安全です。

検査の依頼先はディーラー、クルマ販売店、ガソリンスタンド、整備工場などが候補になります。ただし、法定整備の費用やサービス傾向は、業者ごとに異なる点に注意しましょう。例えばディーラーの場合、法定整備の費用は若干割高ですが、部品交換の際には純正品を確実に使えるというメリットがあります。しかも各メーカーの車に詳しいため、総じて整備の質は高いといえます。

一方、ディーラー以外だと料金だけでなく整備の質もピンキリです。純正品を使わなければトータルコストが安く済むというメリットもありますが、ある程度信頼できる業者を見つける必要があるといえます。コストと信頼性、両方のバランスを見て、法定整備をお願いする店を決めていきましょう。

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<記事掲載日>2021年2月5日

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